西高ニュース

1月25日、第6回 「すずらん塾」が西高で開催されました。

 旭川西高の体育館で1、2年生全員に向け「すずらん塾」が開催された。この塾は東京同窓会が毎年企画しているもので、6回目となる今年は札幌医科大学の学長・塚本泰司氏(西高17期)に講演をお願いした。

 演題は「医療系大学を目指す」。

 すずらん塾は卒業後のキャリアをいまから考えてもらいたいと、西高OBであるさまざまな職業人にお願いし実施しているものだ。

 塚本氏はパワーポイントを駆使し、冒頭“ガンと喫煙”の関係からお話を始めた。「喫煙習慣は医学的にも体に悪いと証明された、いいことはひとつもない」と説いたのち、マンガやクイズをまじえながら、生徒たちのこれからのキャリア形成に有意義な内容の講演が続いた。
 氏は、「医療系大学卒業後の進路は、医師にとどまらず、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師、保健師、放射線技師など多岐にわたり、さらには介護、福祉の分野でもさまざまな専門家への道が開かれている」と説く。
 また「医療福祉従事者に必要なことは健全な常識を持っていることで、特別な才能はいらない」とも語る。これは2年前、すずらん塾に登壇いただいたガン研有明病院の山口院長(現名誉院長・西高17期)が「医者に求められるものは理系より文系の能力」と明言したことと根は同じで、つまりは人間力を磨き、コミュニケーション能力を身につけることが大事であるということだ。
 医療系大学の卒業後については、化粧品会社に勤める人がいたり、「歌う看護師」瀬川あやかさんのような例があるなど、多彩なキャリアの可能性があるので、ぜひこれからの選択肢のひとつとして医療系大学を考えていいのではないか、と生徒たちに進言した。

 札幌医科大学は神経再生医療を世界で初めて成功させ、骨髄から幹細胞を採り培養して患者に戻すことで、頚椎骨折などにより動かなくなった手足を再び復活させる最先端医療で世界から注目を集めている大学でもある。移植後8週間で階段の上り下りや走ることまでできるようになった患者さんの動画を生徒たちが真剣に見つめている光景が印象的だった。

 すずらん塾翌日、買物公園のドトールに西高女生徒ふたりがいて、そこにたまたま居合わせた東京同窓会の荒川会長が昨日の塚本先生のお話はいかがでしたかと尋ねたところ、「たいへん面白く、役に立った」、もう一人からは「看護師になりたい」といった感想が聞けたという。すずらん塾が西高生の間に確実なシーズを育て、芽吹かせている。東京同窓会としては、こんな嬉しいことはない。
 ちなみに西高から札幌医科大学へは毎年1名は入学している。医療・介護・福祉の道を目指すわれらが後輩たちに声援を送りたい。

▲ 生徒たちに講義する塚本先生(17期)

▲ 生徒たちとのツーウエイで盛り上がるすずらん塾

▲ すずらん塾の発案者でもある嶋村輝郎氏(9期)が英語部に寄贈した英会話ソフト(自身の英会話習得用)への、感謝を伝えたいと集まった部員たち